ワスレナグサ 6

ワスレナグサ 6

ナグサ下がって!!ナグサ・・・私の・・・ピアノ・・・・

ナグサ「・・・・・・・・・・・・」

風が寂しげに吹く。

来たと思っていた彼女は、来ていなかった。

ナグサ「あれ、おかしいな・・・・」

では先ほどの声は一体・・・

私が居間に戻ると、机から音がした。

スマホの通知音だ。

ユカリ『ナグサ先輩。本日身共は家の用事があってお菓子をお持ちできません。』

・・・・。

あれ?じゃあさっきの呼び声は?

誰?



夕方

アレからずっと頭痛がひどい。

誰かは知らないが私の頭の中にいる。

『ねぇナグサちゃん!この和菓子の意味知ってる?これ、四季を表すやつなんだよ!』

やめて

『ナグサちゃ〜ん、宿題見せてよ〜え〜っ?!いいじゃんそれくらい〜どーせバレないって〜』

その声で話さないで

『ナグサちゃ〜ん』

ナグサ「うわああああああ やめろッやめてッ!」

手をブンブンを振り回して追い払おうとする。

その過程でふらついた足が机にぶつかる。

ナグサ「っ〜^〜ぁ^っ!いたっ!」

久しぶりに荒い声を出してしまった。

・・・やっぱりおかしい。

今まで何かに熱くなったことはあれど、こうやって大声を出してしまうことは少なかった。

それなのにここ最近、大声を出す回数が心なしが増えている。

私は畳に横たわりながら考える。

何が私をこうしている?

もしかしてアレか?

いや、『砂漠の砂糖』をとっているはずがない。

そう信じたいが、最近砂糖を摂る機会が多い。

その中に砂漠の砂糖が混じっていても・・・

・・・ユカリの和菓子?

まさか、それは絶対にあり得ない。

セイアのお茶?

あの一回だけだ。そんなはずはない。

いくら考えていても、その日の私には結論がでなかった。

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3日後

思い詰めた挙句、私はD.U.地区のコンビニで検査キットを買ってしまった。

砂糖対策の一環としてミレニアムで大量生産されていたものは、まるで成れの果てかのように積み上げられていたので、簡単に買えた。

自宅に戻った私は指先を切って血を装着に押し付ける。

途端にやる気がなくなってしまい、私はまた畳に横になった。

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真夜中

目が覚める。

あれから、まるで鬱期かのように動かなかったようだ。気がついたら月光が私を照らしていた。

少しお腹が空いた。

仕方ないのでゆっくりと起き上がると、視界の端に装置が見えた。

ナグサ「そう・・・だった。見ないと・・・」

覗き込む。

1本の線。陰性だ。

・・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・。

いんせい?なんで?

それじゃぁ・・・・あれは・・・・

ナグサ「・・・・はは。あはは。」

もう笑みが溢れてくる。

なんでだろう。

真夜中なのに笑いが止まらない。

いつもと違って笑いが・・・

ナグサ「・・・・あーっはっはっはーっはっはっはっは!」

そうだ。そうだったんだ。

ナグサ「そうだったんだ・・・私にだけ聞こえていたこの声は、アヤメの声は・・・薬のせいなんかじゃない」

誰かに操られてなどいない。

正気の私にも聞こえていた。

ナグサ「いるんだ!」

私の中に

ナグサ「アヤメ!!」

よかった。アヤメは生きている。

これは私に助けを求めるために黄昏からわざわざ声をかけていたんだ。そうに違いない。


翌日。私はミレニアムのエンジニア部室の前にいた。

こうとなればもう迷わない。私はこの計画に参加する。

『証』は置いてきた。私の心とアヤメの心が通じているなら『証』の有無は問題じゃない。

それにユカリ達は私がいなくても何とかやっていける。

私は、私のなすべきことをしよう。

最後の扉が開く音がした。

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「うへへ〜そっか、そんなのがもう始まってたんだ〜。」

沈黙。

「じゃあさ、ハナコちゃん。ひとまずパンデモニウム・ミュージアムにスパイ送れない?あそこに確かあるでしょ?ヒナちゃんの手足。」

「そうですね♡さっそくあの娘達に出てもらいます?」

「そうそう。持ち主に返してもらわないとね。」

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??????

クズノハ「・・・やはりナグサは動いたか。妾の目に狂いはなかったな。」

クズノハは鳥居から降りて、天を見上げる。

クズノハ「・・・楽しみだ」

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あとがき

ワスレナグサ完結です。シロなつで実現できなかったホラーエンド風を目指していたのですがこうなりましたね。ナグサちゃんもしかしたら躁鬱になってます?

モウヤメルンダッ!!お前が欲しかったホラーは、本当にそんなものか?!

次は戦後FOX小隊を掘り下げようかな・・・

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おまけ

今後重要になる先遣隊の参加メンバーとその動機です。

マコト(新大陸を我が物にしたい)

カヨコ(消えたアコとネコについて知りたい)

アリス(勇者ですから!)←*1年です。

ウタハ(ロマン溢れる旅がしたい)

???(ネタバレ)

ナギサ(ミカとお茶がしたい/大多数に謝りたい)

セイア(〃) 

ナグサ(アヤメに会いたい)

ミノリ(新大陸に国際労働者学園を作りたい)

カンナ(キリノに謝りたい)

ユキノ(喋れないミヤコの代わりに兎小隊に謝りたい)

クルミ(〃)

カヤ(連邦生徒会代表として乗せられてしまった)

これはキヴォトスの救世主マコトと愉快な12使徒だな!

ツルギはイチカを支えるため、陰陽部組はチセを支えるため、ネルはカリンを支えつつアスナ達を取り戻しにいくため、残りのFOXはミヤコの介護のため不参加です。

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